2016年10月8日から10日にかけて開催された国内最大級のLANパーティ「C4 2016 Fall」に、「完全食COMP」が協賛した。COMPはこれだけで人間が必要な栄養素をすべて摂取できる食品で、忙しく生きる現代人に時間をプレゼントすることをコンセプトに掲げている。
従来、エナジードリンクなどの飲料メーカー・ブランドを除いて、食品メーカーが日本国内でゲーム/eSportsの大会やイベントにスポンサードした例は少なく、COMPの参戦は業界にとってあまり前例のない出来事だったと言える。
では、COMPはなぜC4に参戦したのか。このイベントで何を得て、この先どうしていくのか。また、食品メーカーとしてC4にどんな印象を抱いたのか。今回、株式会社コンプの代表取締役CEOの鈴木優太さんにお話をうかがった。
COMPはコアゲーマーに刺さる確信があった
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――C4のサポーター一覧には当初、コアゲーマーなら誰でも知っているゲーム・PC関連企業が並んでいました。しかし、ある日突然、食品メーカーのCOMPが名前を連ねることになりました。御社はなぜC4に参戦されたのでしょうか。
鈴木:実はこれまでゲーマー向けにプロモーションをしたことはありませんでした。ですが、COMPの販売開始以降、SNSを中心にゲーマー層が購入してくれていることを実感しつつあったんです。また、僕自身が寝食を惜しんでゲームに没頭することを至上の喜びに感じるゲーマーなんですが、そういう人のための食事がありませんでしたから、COMPはゲーマーに売れまくるという確信を密かに持っていたんですよ。
一方で、COMPユーザーになりうるゲーマーとならないゲーマーがいるとも思っていました。例えば、スマホで暇な時間に遊ぶタイプの人には合わないはずです。ライトゲーマー層向けのゲーム会社へのスポンサーシップを検討したことがあるんですが、結局はライトユーザーには刺さらないだろうと断念しました。
SNSを見ていると、COMPユーザーにはコアゲーマー――No Game,No Life.な人が多かったので、やはりそこにフォーカスすべきだと考えました。ですから、C4は弊社の方向性と完全にマッチしているイベントだったんです。コストはかかるかもしれませんが、協賛する価値があると判断しました。
――話を持ち込んだ際のC4側(CyAC)の反応はどうでしたか?
鈴木:最初はビジネスライクな探り合いでしたが、コミュニケーションを重ねるうちにノリノリになってくださって、「絶対にいけますよ」と言っていただけました。
予定では来場者にお試しパックのCOMPを一つ配布するだけでした。ところが、社内でC4の説明をしたらもっと突っ込んでやったほうがいいという話になり、「COMPのある3日間を体験してもらいたい」というコンセプトが出てきました。
COMPは一度だけでなく何度か試して初めてその便利さを実感できる商品なので、それを体験できる状況を活かさない手はありません。CyACの方にも好意的に対応いただくことができ、会場のバーカウンターを貸していただけることになりました。参加者がお腹の空いたときに立ち寄ってもらい、その場でCOMPを提供するという形です。
イベント中もMCのStanSmithさんや運営の田原さんが「COMPありますよ」と定期的にアナウンスしてくださいました。このように全面的に協力していただけたこともあり、大成功に終わったと感じています。
今回のC4をきっかけにゲーマー層に認知が広がり、「忙しいゲーマーのための食品といえばCOMP」といったブランディングができると、我々としてはこれ以上のことはありません。
3日間で0.12ギガカロリーが消費された
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――僕の知り合いもC4に参加していて、COMPとレッドブルだけで3日間過ごしたと言っていました。体調を崩すどころかむしろ快調だったそうですが、彼は僕がさんざん宣伝しているのを知っていたから抵抗感がなかったのだと思います。
聞くところによれば、初日はまだまだ参加者が遠慮がちというか、COMPを怪しんでいたそうです。しかし、途中からコーヒーで溶かして提供され始めたのをきっかけに、そういう人でも飲むようになったと話していました。
鈴木:我々も、初日は様子をうかがわれていると感じていました(笑)。ただ、誰かが飲んだのを見たり聞いたり、あるいは一度飲んだりした方は積極的に飲みに来られるようになったという印象があります。
――レッドブルで溶かして飲んでいる人もいたそうです。
鈴木:それは……どうなんだろう(笑)。炭酸飲料にはあまり合わない気がします。それに、COMPは溶かすときにけっこう泡立ちますから、炭酸飲料で溶かすとカップケーキみたいになってしまいそうですね。ただ、いろんな味を楽しんでいただけたなら嬉しいです。そういえば、持参したイチゴミルクで作ってほしいという方もいました。COMPは濃厚な味の飲料とよく合うので、イチゴミルクは大正解でしたね。
皆さんからいただいた感想としては、「意外とおいしい」という声が多く、味で敬遠されなかったことに驚きました。あと、飲み残しをしている方がほとんどいなかったんです。ここまでの反応があるとは想像しておらず、素直に嬉しかったですね。
運営スタッフの方にも大好評でした。田原さんもそうですが、特にStanSmithさんはおそらくCOMP以外に飲み食いしていないのではないかと疑っています(笑)。以前から利用されていたとはいえ、気に入っていただけてなによりです。
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――そうしたお話をうかがうとCOMPが大好きな僕も嬉しいですね。イベントでは参加者と交流することもあったんですか?
鈴木:さすがに初日と2日目前半は控えめにアピールするくらいでしたが、それ以降はこちらからも積極的に話しかけていきました。バーカウンターに来てくれた方はもちろん、会場で遊んでいる方の横に座って話し込むこともありましたね。
バーカウンターにはだいたいいつも誰かしらが来てくれていたんですが、2日目と3日目の朝、会場で「朝COMPありますよ」とアナウンスしていただいたときは行列ができました。ラストオーダーのときも大盛況でしたね。席を立ちたくない参加者も多かったので、こちらから配りにも行きました。これも功を奏し、かなり飲んでいただけました。
――参加者でもともとCOMPを知っている人はいましたか?
鈴木:知っている方もいましたが、やはりまだ知らない方のほうが多かったと思います。ただ、イベントを通じてCOMPが大好きになった……という様子の方がけっこういらっしゃったのが嬉しかったですね。
面白かったのは、イベントが終わったあと、3日間COMP漬けだったという参加者が「朝起きてCOMPがないことに違和感がある」とツイートされていたことです(笑)。これはすごいことだと思いました。
――イベントが始まる前はどれくらいの量が飲まれると想定されていたんですか?
鈴木:1袋925g(4000キロカロリー)のBagタイプを30袋さばければ上々だと想定していましたが、ちょうど目標どおり配ることができました。会場での直販でもいくつか売れましたね。ちなみに、最終的に3日間で約500杯のCOMPが消費され、配布したCOMPの総カロリーは約0.12ギガカロリーになりました(笑)。
※成人男性が1日に摂取すべき目安は約2400キロカロリー。
コアゲーマーが集まると何でも盛り上がる
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――こういうオフラインのイベントは参加されたことがないとのことでしたが、C4の印象はどうでしたか?
鈴木:やはり皆さんともゲームが大好きなんだということが伝わってきました。特に印象に残っているのが、3日間ずっと1人でピンボールのゲームをプレイしていた方です。何度もその方を目にしたんですが、いつ見てもピンボールを遊んでいました。
あと、『DEAD OR ALIVE 5』だけをひたすらプレイしている集団がいたのも覚えています。格闘ゲームのプレイヤーはそういうものだと聞いたことがあったんですが、まさにそのとおりで、遊びに来たというより修行をしている雰囲気でした(笑)。
――マイナーといいますか、あまり人口が多くない、コミュニティも小さいゲームのプレイヤーにとって、C4のようなイベントは仲間を増やす機会でもありますよね。
鈴木:たしかに『鉄拳7』のプレイヤーたちは「鉄拳やってます」とほかの参加者にアピールしていました。
会場で特に盛り上がっていたのは『Divekick』を使った「グッドモーニング Divekick Duel チャンピョンシップ」と、『Golf With Your Friend』のトーナメント「ゲーミング紳士限定 “Golf With Your Friend” C4 Open Fall 2016」です。単純で誰でも理解できるゲームがいいんでしょうね。
あともう一つ、「Logicool G 勝手に全日本マウス速ブリ選手権 決勝」(マウスの移動速度を競うスコアアタック)は本当に異様な盛り上がりを見せていました。やってみたらバカバカしくて楽しかったんですよ。ちなみに僕は予選落ちでした(笑)。
――ああいうイベントだと謎のゲームやトーナメントが盛り上がりますよね(笑)。
すべてのゲーマーに完璧な食生活を提供する
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――改めてうかがいますが、イベント全体を通して、どんなことに一番の手応えを感じられましたか?
鈴木:端的に言うと、COMPはゲーマー層に親和性があると証明できたことですね。ゲーマー層を狙うなら、C4に来るようなコアゲーマーにフォーカスすれば大丈夫だという経験にもとづく確信が生まれました。
弊社のメンバーでゲーマーは僕だけで、C4がどんなイベントか全然イメージがつかないという人もいました。ですが、実際にC4に参戦したことで「ゲーマーにフォーカスしなくてはいけない」というマインドになりました。事実ができてしまいましたからね。
メーカーにとって最も恐ろしいのは、ターゲットを勘違いして大量の資本を投下し、爆死するパターンです。我々はそんな事態を避けるためにきちんとマーケティングをしているんですが、そこに鑑みても今回は大成功だったと言えます。
プロモーションの成果がすぐに数字として現れるわけではありません。ですが、今後に繋がりそうなことはいくつかありました。取材の申し込みのほか、eSportsチームに対するスポンサーシップの相談などですね。もちろんこれらはよくよく検討してからにはなりますが、C4へのスポンサードをしていなければ生まれなかった話なのでありがたく思っています。
ゲーム業界関係者の方と仲良くなれたのは本当に大きな収穫です。特にCyACの方やStanSmithさんと同じ場所で仕事ができたのは代えがたい経験となりました。
お話をうかがい、打ち合わせを重ね、社内で議論すればするほど、「C4はCOMPのためのイベントなのではないか」と考えるようになりました。結果も出ましたし、これからもこういう形でプロモーションしていくのが最適だと思います。
――C4はこれからも継続して開催されていくみたいですね。
鈴木:C4にはものすごいポテンシャルを感じています。今回、第1回から参戦でき、盛り上がりに協力できたのは本当に幸運でした。今後第2回、第3回でもパートナーシップを結ぶことは、とても前向きに考えています。
――御社ではC4含め、ゲーム業界ないしeSports業界とどういう形で付き合っていこうとお考えですか?
鈴木:以前、これからの時代はモノだけではなくコトを売っていかないといけないという話にたいへん感銘を受けました。そうした形でCOMPを訴求できる場であるなら積極的に協賛・協力していくつもりです。
ただ、僕はゲーマーではありますが、ゲーム業界がどうなっているか知りませんし、ましてやeSports業界についても疎いのが実情です。まずはもっといろいろな方からお話を聞いて業界を知ることが第一です。
その先にある大きな目標は、すべてのゲーマーに完璧な食生活を提供することですね。ひいては世の中すべての人に手軽で健康的な食生活をお届けしたいと思っています。
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